夏野菜として出番の多いズッキーニですが、そもそもどんな野菜なのか、栄養素や食べる際の注意点など、詳しく解説していきます。ズッキーニを使った簡単レシピ等もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそもズッキーニってどんな野菜?
ズッキーニの分類と歴史
ズッキーニはきゅうりに似た見た目ですが、実はかぼちゃの仲間です。イタリア語で「小さいかぼちゃ」という意味があり、日本では1980年代に広まった、比較的新しい野菜です。味にクセがなく、日本料理にも合わせやすいため、現在の日本では欠かせない野菜となっています。
ズッキーニはメキシコが原産のぺポかぼちゃをルーツとし、16世紀ごろにヨーロッパに流入しました。その後イタリアで品種改良され、現在の細長い形となりました。ちなみにイタリアでは、ズッキーニの花も食用とされています。
ぺポかぼちゃ・その他かぼちゃの種類について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
ズッキーニの種類
ズッキーニには、様々な種類があります。スーパー等でもよく見かけるのは、緑色・黄色・縞模様のものがあります。
黄色のズッキーニは、緑色のものより皮が薄く柔らかいため、生食にも適しています。
縞模様のあるものは「ロマネスコ」と呼ばれる品種で、イタリアでよく食べられている品種です。こちらも生食に適しています。
ズッキーニの主な産地や旬は?
ズッキーニは、長野県・宮崎県・群馬県などで多く栽培されています。
ズッキーニの一般的な旬は6~8月ですが、ハウス栽培が盛んな宮崎県では、少し早い4~6月が旬となっています。
ズッキーニに含まれる栄養素と効能は?
主な栄養素は?
カリウム
100gあたり320mgのカリウムが含まれています。カリウムには、体内の余分な水分やナトリウムを排出する働きがあります。そのため、むくみの改善や予防に効果的な栄養素です。
βーカロテン
100gあたり310µgのβーカロテンを含んでいます。βーカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や目の健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用もあるため、疲労回復や老化防止などにも役立ちます。
葉酸
100gあたり36µgの葉酸を含んでいます。葉酸は核酸の合成に関わる重要な栄養素です。また、妊娠中の胎児の成長にも重要な栄養素であり、特に妊娠初期には積極的に摂取することが推奨されています。
食物繊維
100gあたり1.3mgの食物繊維を含んでいます。ほとんどが不溶性食物繊維であるため、腸内細菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立ちます。また、ダイエットにも効果的です。
油と一緒に調理すると良い?
ズッキーニに含まれるβーカロテンは、油に溶けやすい性質(脂溶性ビタミン)であるため、油と一緒に調理すると効率よく栄養素を摂取できます。オリーブオイルなどの油で炒める調理法は、理にかなっているといえます。
ダイエットに効果的?
ズッキーニは100gあたり14kcalと、低カロリーであることも特徴のひとつです。栄養豊富かつ低カロリーであるため、ダイエットにもぴったりな食材と言えます。
どんなズッキーニが美味しい?選び方や保存方法について
ズッキーニの選び方や保存方法などについて解説します。
美味しいズッキーニの選び方
皮にハリやツヤがあり、太さが均一なものがおすすめです。大きすぎると皮や実が硬くなってしまうため、適度な大きさのものを選ぶと良いでしょう。
ズッキーニの正しい保存方法
冷蔵保存であれば、ビニール袋に入れて野菜室で保存しましょう。また、冷凍で保存することもできます。冷凍保存する場合は、薄めに輪切りにし、保存袋などに並べて冷凍しましょう。2~3週間程度日持ちします。
苦みの強いズッキーニは毒性がある?
ズッキーニには、「ククルビタシン」と呼ばれる毒性物質が多く含まれていることがあります。この物質は加熱しても毒性が消えず、食べると食中毒のような症状を引き起こします。ズッキーニを調理する際は必ず味見をし、苦みを感じた際は食べないように注意しましょう。
ズッキーニを使った簡単レシピのご紹介!
最後に、ズッキーニを使った簡単レシピを3つご紹介します。
カポナータ
「カポナータ」とは、イタリア発祥の料理のことで、ズッキーニ・なす・パプリカ・玉ねぎ・トマトなどの野菜を煮込んだものです。「ラタトゥイユ」とよく似ていますが、ラタトゥイユはフランス発祥のもので、味付けも少し異なります。
<材料(3~4人前)>
- 玉ねぎ…1/2個
- にんじん…1/3本
- なす…1本
- ズッキーニ…1/2本
- パプリカ…1/2個
- ピーマン…1個
- トマト缶…1/2缶
- ニンニク:1/2片分
- オリーブオイル…大さじ2
- バジル…適量
- 白ワインビネガー…大さじ1
- 砂糖…小さじ1
- 塩コショウ…少々
<作り方>
- ①玉ねぎ・にんじん・なす・ズッキーニ・パプリカ・ピーマンは全てダイス状に切っておく。
- ②フライパンにオリーブオイルを入れて火にかけ、にんにくを入れて香りを立たせる。
- ③②に①を入れ、炒める。トマト缶も入れて弱火で少し煮る。
- ➃<バジル・白ワインビネガー・砂糖を入れ、さらに煮る。/li>
- ⑤塩コショウで味を調えて完成。1晩冷蔵庫で冷やしてから食べても美味しいです。
肉巻きズッキーニ
ズッキーニの調理に迷ったら、なすの調理法を取り入れてみると簡単です。柔らかくクセがないズッキーニなので、様々な料理に使いやすいです。
<材料(2~3人前)>
- ズッキーニ…1本
- 豚ロース薄切り肉…200g程度
- 塩コショウ…少々
- 片栗粉…適量
- (A)しょうゆ…大さじ1
- (A)みりん…大さじ1
- (A)酒…大さじ1
<作り方>
- ①ズッキーニは縦6~8等分に細長く切り、豚ロース肉を巻き付けておく。塩コショウで下味をつけ、片栗粉をまぶす。
- ②フライパンにサラダ油を入れて火にかけ、①を焼いていく。転がしながら焼き色を付けていく。
- ③ズッキーニに火が通るように、蓋をして弱火で2~3分蒸し焼きにする。
- ➃余分な油をふき取ったら、(A)の調味料を入れ、照りが出るように絡めたら完成。
まとめ
今回は、ズッキーニの特徴や注意点、簡単レシピなどについて、詳しく解説しました。柔らかく、くせの少ないズッキーニは日本料理にもよく合います。
栄養価も高く、夏バテ予防にぴったりなズッキーニをたくさん食べましょう。